トーニングは本当に効果があるのか?
身バレしたくないので、匿名で愚痴を書いていく
トーニングはこの5年くらいで確実にメジャーになってきた治療法だ
肝斑の治療法なのだが、ヤグレーザーを低出力でデフォーカス(焦点をずらして)で繰り返し照射することで肝斑を治療するというもの
15年くらい前まで肝斑にレーザー治療はご法度であった。(2018年3月に改訂されたあたらしい皮膚科第3版(個人的には良著)でも肝斑にレーザー療法は禁忌となっている)
実際、以前に私もどうしてもと頼まれてQスイッチを肝斑に照射したことがあるが、1か月くらいはきれいに取れた状態が続くのだが、その後元の色よりも濃くなってしまったことがある。なので私は肝斑にはレーザーを照射したくない派だ。(某先生のように熱狂的なトーニング否定派ではない)
そもそも肝斑とはなにかというお話なのだが肝斑の原因はよくわかっていない
一つには女性ホルモンや副腎資質ホルモンの分泌変化の影響でメラニンを作る細胞が刺激されて色素沈着ができるという理由
もう一つは肝斑が頬骨上にできやすいことから骨上の刺激はよりほかの場所よりも強くかかるため、洗顔や化粧の刺激によるものもしくは紫外線などによる色素沈着という理由
この辺りが原因ではないか言われている。
(もちろん反論はある 女性ホルモンの影響なら男性の肝斑を説明しづらいし、刺激による色素沈着ならおでこやあごの骨の上にはなぜできないのか)
女性ホルモンの影響であるならばメラノサイトを破壊するようなレーザー治療は有効であると思う(むしろ通常出力の方が効くのではないか)
ただし刺激性の色素沈着は炎症性の色素沈着と似たようなものなのでさらに炎症を起こすようなレーザーはあまりよろしくないのではないかと思う。
で本題に返り、トーニングだ。
肝斑の原因はよくわかっていないが、上記の二つが原因とするならば全く違う病態の治療に同じ治療を施していて、改善したり、悪化したりする。要するにこれが肯定派と否定派を生み出しているのではないかと思う。
そして一番、問題なのは医者の診断だ。
肝斑を肝斑と診断できる医者は少ない そもそもよく原因がわかっていない病気を診断しろというのが無理なのだが、なんだかよくわからない頬骨上のしみを肝斑としてしまう医者は皮膚科の専門医にも多いのだ。(肝斑内服セットを売るために(笑))ましてなんとなく美容をやっている医者なんかにはとうてい無理だ。私も自信をもってこれが肝斑なんて言うことはほとんどない
肝斑かもしれないねなんて医者は言うけど、そうしか言いようがないのだ。
そしてこの人の肝斑には効くけど、こっちの人には効かないね、なんてことを言っておしまいなのだ
最後にトーニングについて私が懐疑的に思う理由を述べてみる
・ほとんどのクリニックがそうであると思うが、肝斑の治療としてレーザーを照射するのは理解できる(ポリシーをもってするのであれば…)ではなぜ肝斑以外の額とかあごなどの全顔に照射する必要があるのだろう よけいな刺激はシミを増やすだけだ。IPLのようなコラーゲン産生促進作用のような付加的な作用はヤグレーザーにはない
・レーザーというものは厳密なもので、ちょっとでも位相をずらせばまったく意味のないレーザーポインターのようなものだ。(だって1064ナノメートルですぜ)トーニングの照射方法として通常の焦点距離よりも2㎝以内離して照射するのだが、焦点距離を2cmずらすのとずらさないのではエネルギーが全く違う。(ちなみにある距離までは離した方がエネルギーは強くなる)焦点距離の問題をどう考えているか?
最近、権利が移動したからJ-MECもQスイッチヤグレーザーあんまり一押しじゃないね
今はウルセラとサーマクールの宣伝がすごい(笑)