今後の形成外科を憂う

身バレしたくないので、匿名で愚痴を書いていく。

 

まぁ形成外科とか皮膚科とか多いわ。

あとなんちゃって美容皮膚科医はもっと多い。

もう今の時点で美容医療って飽和している状態から崩壊しかけている状態なのに志望者がおおいのはなんでなんだろう。

勝ち組は高須クリニックとか湘南美容外科、あとはチェーンで全国展開している10個くらいのクリニックくらいではないかと思う。

たぶんあと10から15年くらいすると仕事あぶれる医者が出てくるんだなと思う。

厳しいよ 特に形成外科

大きな病院で再建なんかを主にしている先生はまだまだ仕事はあるんだけど、乳腺科や耳鼻科や整形外科の先生も植皮や皮弁なんかはもう当たり前にできる時代だし、顎関係は口腔外科の歯科医の方がうまかったりする。なにより咬合関係は歯科医にはかなわない。縫合だって真皮縫合は外科だろうが産婦人科だろうが結構上手にやっている。

というわけで普通の形成外科はだんだん時代の波にのまれていくのではないのでしょうか。手技的なことだけが各科で残っていくだろうと思います。

 

それで美容外科だけど・・・もうとっくに崩壊していますよ

重瞼や脂肪吸引なんかは需要はあるけれどもそれでもやる人はかなり少なくなってきている。手術の件数はこの10年くらいでかなり減ってきているという統計もある。

代わりにこの15年くらいで台頭してきたのが美容皮膚科

光やレーザー機器なんかを武器にしてあっという間に市場を席巻している。何が問題かというと脱毛にしろ、シミ取りにしろ、高周波にしろ、超音波にしろ設定を決めてしまったらある程度結果は似通ったものになるということだ。つまり大学の偉い教授だろうと研修医だろうと看護師だろうと大きく結果は変わらない。(内科だろうと眼科だろうと麻酔科だろうと一緒です(笑))

というわけでだれでもできる治療はあっという間に広がるわけです。(まぁプラセンタなんかいい例です)

そこに初期研修が終わって美容に来る若い医者や30代くらいの内科の先生などを院長にして、脱毛やIPLなどの施術は看護師にさせてチェーン化していくというビジネスができあがるわけですな。

で時々、総院長とか理事長とかグループ顧問とかいう元締めがきてボトックスとかヒアルロン酸とか水光注射のような普通の医者ならだれでもできてある程度安全な手技を教えていき、教わった本人もできるようになった気がして嬉々として働いてしまうという構造です。3から4年すると休みとか給料とかに不満が出てきてあちこちを転々とする奴は多いですね。

 

というわけで形成外科を憂う本題が始まるわけです。

こんな状態にもかかわらず、皮膚科や形成外科の医局に美容目的で入る人が最近は多いそうです。美容目的ではない皮膚科、形成外科はある程度まだまだ需要はあります。皮膚悪性腫瘍などは今後も増えはしないが減りもしないので、対応できる医者が必要です。また日常診療でにきびやアトピーなんかもまだまだ需要はあるので良いと思います。形成外科は顔面外傷とか褥瘡の治療、微小血管縫合なんかの需要はあると思います。

しかし形成外科は開業には向きません。まず、手術を必要とする人はリピーターにならないです。リピーターは爪の処置くらいです。

また美容医療に関しては一般人は近くのしらない個人病院よりも多少遠くてもCMでやっている大手にいきます。個人の方が大幅に安くても大手にいってお金を払います。

今後、形成外科医は増え続けているのでどんどん診療所も増えるでしょう、美容外科医も増えるでしょう。ということはパイは限られているので必要ない人間が出てきてしまいます。

で開業した私はどうしましょうという結果になってしまうのです…